昨夜テレビを見ていて・・・
2007.10.22 Monday
昨夜のテレビで「世界の子供がSOS、仕事人バンク・・」という
番組をやっていました。
最近はやりなのか・・?よく見かける発展途上国を取り上げた番組で
技術や文化が未発達の為、困っている子供を、
日本の仕事人(凄いベテラン)が出向いて
技術を継承しようと言う企画の番組です。
番組の途中から息子2人と見ていたのですが、
ちょうどやっていたコーナーは燃料が高く不足の為
薪を集めて燃料としているのですが、
木を大量に切り倒してきた為に近くには薪が無くなり
往復4時間近くかけて子供も取りに行くということです。
依頼としては、依頼主の子供が、その時間の為に勉強が出来ない、
その時間をへらして、勉強をする時間を作ってあげようというものでしたが。
本当の問題はこれから乱伐採による資源が無くなること、
家事の負担、衛生や色んな生活にも及ぶ問題です。
日本からは、65歳の左官職人が行ったわけですが、
石を3つほど並べその上になべを置いているだけという
日本のバーベキュウーにも劣る厨房を見て
釜(3連釜)をつくることになりました。
そうすれば、少ない薪で効率よく料理などが出来ると言うことです。
材料もその文化も何も無いところからの作業です。
買って行ったりしては、文化や技術は根付きません。
現地にあるもので、現地の人が出来る事でやっていきます。
まずは、土を練り日干しレンガを作り
レンガに適した土探しからです。
セメントなど無いので、つなぎにも粘質の高そうな土を練ります。
鉄筋などの変わりにツルなどを使います。
仕上げ塗る土にはワラいれ割れ防止に使うなど、
日本の左官技術も駆使してました。
最近の日本では、建材も進化して、施工しやすいようになっています。
本来ワラである「すさ」も科学繊維があります。
今の若い職人にこの仕事はできるかは疑問でした。
私が子供のころ左官業を営んでいた父に連れられ
現場に行くと、そこには動力など無く
足場の上からたらすロープにバケツを引っ掛けて上げていましたし。
今のように綺麗な砂でなく大きな砂利と分けるために
砂をふるいにかけるところからやっていました。
「便利」は、人から「知識」と「技術」を奪って行きます。
技術を会得してから、
便利な道具を使って効率を上げる事はいいことだと思いますが。
最初から道具を使うとその道具が無ければ仕事ができません。
話は戻って、当然コテすらない現地に、便利な道具などありません、
木コテすら職人は作って、作業していました。
この番組を見てた人は・・
子供達と見ていた人はどのように話を子供達としましたか?
「世の中には、こんなに貧しい人達がいるのよ・・」でしょうか?
「あなたたちは恵まれているのよ・・」でしょうか?
もちろんそれは間違いではありません。
私もそのような事も言いますが
付け加えてこのように言いました。
彼らは「不便だ」とか「しんどい」と思っていても
それをどのようにしたら、「便利」になるか解らないねん。
じゃあなんで
「あのおじいちゃん(職人です)ができるかは今まで、頑張って勉強をして色んな知識があるからやで」
「それで、それを自分で工夫してきはったからやと思うで」
そのことに気がつくために・・「勉強することが必要やねん」、
「知っていても仕方が無いような事も知識として知っておくことが大事やで」
「いまの間に、しっかり勉強して工夫することをしておかないと・・
しんどい事をしている事に気がつかない事になるでー」
「今はレンガもセメントもあるし、ビスも接着剤もあるから、必要の
無い知識に見えるけど、お父さんは学生の時に勉強して知ってるで・・」
テレビを見ながら、解説の前に次に何をするか言い当てる私に
息子達は黙って聞いていました。
今の子供は、結果を先に知りたがります。
ゲームの攻略本などはさいたるものでしょう。
フットサルを指導していても、練習の意味を最初や途中に
説明するようにしていますが、することだけを見て、話を聞く子供は
少ないです(話を聞いて理解している子供が早く上達することは容易に
想像できます。)
すべての作業や行動、いま日常普通にしていることにも
理由、経緯などがあります、それを理解しているか、していないか
が応用力や、「勉強」してきたことを無駄にしないで日常に生かせるか
になっていくと思います。
「お父さんの仕事は、この職人さんのように、人に喜んもらえる
凄く楽しくて良い仕事なんやでー」
と締めくくっておきました。
ちょっと難しかったかも知れませんが、
なんとなくでもわかってくれたらな?と思います。